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莢に入ってない
「コーヒーはコーヒー豆を煎って(いまでいう焙煎じゃ)煮るか熱湯や蒸気で浸出した飲み物」と定義される。じゃあ、コーヒーの木は豆科の植物なのか?そうではない。煎る前のコーヒー豆 (生豆) がそのままの形で、エンドウ豆、空豆、そして藤の実のように莢に並んで入っているわけではない、コーヒーの樹は白い花を咲かせた後、長楕円形の果実をつける。熟すと紅紫色になり、チェーリービーンズ cherry
beans と呼ばれるから、日本人の好きなサクランボに似ていないでもないが、形や色からは、グミや植木のアオキの果実がより近いのかもしれない。
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銀杏に似たもの
この果実を乾燥あるいは水につけて皮と果肉を取り去ると、中から種子(タネ)が現れる。この種子を乾燥させて種皮をはいだのが「コーヒー豆」だ。つまりコーヒー豆は、サクランボやモモを食べる時邪魔になるタネ(核)に当たる。利用部位から言うと、銀杏やクルミと共通する。だから正確にはコーヒー豆は豆ではない。もっとも、豆科でなくても丸い種子をコーヒー豆とふつう呼んでも間違いではない。ハズ(トウダイグサ科の種子)をやはり豆と言っているからじゃ。
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